(Selah - Be Still My Soul / What A Friend We Have In Jesus)
今日は、Amazonプライムミュージックでこのアルバムを見つけ、なんかハッピーな気分に。何年か前に心くじけそうになった時、この曲にずいぶんと助けられました。
二つの賛美歌が続けて歌われています。前半は、日本語だと「安かれ わが心よ」。後半の曲は「いつくしみ深き(友なるイエスは)」で、これは結婚式でも葬式でも歌われるおもしろい賛美歌ですが、結婚は人生の墓場だから、というわけではありません。(笑) 素晴らしい友であるイエスが、幸いなときも悲しいときもともにいてくださるので、どんなシチュエーションでも歌えるのです。
この「いつくしみ深き」の曲は、文部省唱歌の「星の界」や「星の世界」でも使われているので、耳慣れている人も多いようですね。
実は、他にも賛美歌と同じ曲の使われた唱歌が、けっこうあります。たとえば、皆さんもよくご存じの歌だと、「蛍の光」や「むすんでひらいて」。知らなかったでしょう~?
「同じ曲」と言ったのは、昔は同じ曲にのせて違う詩が歌われることがよくあり、賛美歌の中にも、すでに有名だった曲に合わせて歌われていたものがあったからです。
逆に、日本の「荒城の月」は海を渡り、ベルギーの修道院で賛歌となっています。ちなみに、作曲者の瀧廉太郎は、曲を作ったころ、クリスチャンになることを決心していますが、賛歌として採用した神父はそれを知りませんでした。ただ、この曲には深い霊性があると感じたようです。
もっとびっくりすることがありますよ。「君が代」にも賛美歌の曲がついていたことがあります。「君が代」って、いくつものバージョンがあるのを知っていました? 1代目はイギリス人が作曲したもので、歌詞と曲が合っておらず、普及しませんでした。そこで、海軍省が宮内省に頼んで作り直してもらったのが、現在使われている2代目。
すると、何を思ったか、文部省がまったく違う曲をつけて、唱歌として発表しました。(国歌を決めるのは文部省だ、と言いたかったのかな) これが3代目で、賛美歌の曲が借用されています。でも、やっぱりあまり歌われることなく、結果として2代目の曲が普及して正式に国歌とされました。
上にあげた以外にも、賛美歌と同じ曲が使われた唱歌がいくつもあるし、「シャボン玉」も、「主われを愛す」という賛美歌の曲を改変したものだろうという説があります。
明治時代って、日本が西洋から膨大な量の情報や文化を取り入れ、学んだ時であり、それがどのように日本の文化や生活に吸収されていったかを知るのは、とても興味深いです。翻訳の仕事とも関係しているもんで。(^^♪
追記(2月6日):興味のある方のために、参考にした資料の一部を紹介します。
●「いつくしみ深き」(Wikipedia)
●「目ざめよわが霊」(Wikipedia)(「蛍の光」と同じ曲で歌われる賛美歌)
●「むすんでひらいて」(Wikipedia)
●「シャボン玉」(Wikipedia)
●「3つの『君が代』」(探検コム)
●「賛美歌・唱歌とゴスペル」
●「賛美歌・唱歌ものがたり」
●「賛美歌・唱歌ものがたり〈2〉」
●「君が代のすべて」(7. 君が代 小学唱歌⇒試聴できます)
●「荒城の月のすべて」(17. ヘルヴィム賛歌⇒試聴できます)

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