3年の間に体も心もずいぶん成長したなあ・・と思いつつ、卒業式で皆さんの送辞・答辞を聞いていたのですが、最後に保護者代表から教職員への感謝の言葉がありました。
その方は途中で感極まり、涙声でやっと最後まで言葉をつないでいました。それほど、先生方への感謝で心がいっぱいだったのでしょう。
実際、ここの中学は素晴らしい先生がたくさんいます。皆さん、とても親身で、生徒たちのことを気にかけておられるし、催しがあると、生徒たちと一緒に心から楽しんでいる姿がとても印象的でした。
卒業式の後は、各教室で最後のお別れ会。保護者は入れない、先生と生徒たちだけの特別の時間です。息子も含めて、たくさんの生徒が涙ぐんでいたとか。
先生の皆さん、3年間お世話になりました。またいつかお目にかかれますように。
さて、生徒思いの教師がどれだけの影響を生徒の人生に与え得るかについて、とても素敵な話が『きっと誰かに愛されている』というブログに書かれていましたので、紹介させてもらいます。どうぞ読んで下さい。
「ある女性教師と子供の出会い」
先生が小学五年生の担任になった時、どうしても好きになれない児童がひとりいた。
その少年は、服装が不潔でだらしなく、中間記録に先生は少年の悪いところばかりを記入するようになっていた。
あるとき、少年の記録が目にとまり何気なく読むと・・・
一年生・・
朗らかで、友達が好きで、人にも親切。 勉強も良く出来、将来が楽しみ。
なにかの間違いだ。
他の子の記録に違いない。先生はそう思った。
二年生・・
母親が病気で世話をしなければならず、学校に遅刻する。
三年生(一学期)・・
母親の病気が悪くなり疲れていて教室で居眠りをする
三年生(三学期)・・
母親が死亡。希望を失い、悲しんでいる。
四年生・・
父は生きる意欲を失い、アルコール依存症となり、子供に暴力を振るうようになる。
先生の胸に激しい痛みが走った。
ダメと決め付けていた子が突然、悲しみを生き抜いている生身の人間として、自分の前に立ち現れてきたのだ。
その日の放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、あなたも勉強していかない?分からないところは教えてあげるから」
少年は初めて笑顔をみせた。
それから毎日少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。
そして少年が初めて授業中に手を挙げたとき、先生にも大きな喜びが沸き起こった。
少年に少しづつ自信が芽生えはじめた。
そして、それはクリスマスの午後の出来事・・・
少年が小さな包みを先生の胸に押付けてきた。
後で開けてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていた物にちがいない。
先生がその一滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪れると、雑然とした部屋で独り本を読んでいた。
少年は、気がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
「ああ、お母さんの匂い! 今日はなんて素敵なクリスマスなんだ。」
少年が六年生になった時、先生は担任でなくなった。
そして卒業の時、先生に少年から一枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。今まで出会った中で一番素晴らしい先生でした。」
それから六年経ち、またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。僕は五年生で先生に担任してもらって、とても幸せでした。おかげで奨学金をもらって、医学部に進学することができます。」
十年が経って、またカードがきた。
そこには先生に出会えた事への感謝と父親に叩かれた経験があるからこそ、患者の痛みが分かる医者になれると記されていた。
そして、こう締めくくられていた。
「僕はよく五年生のときの先生を思い出します。あのまま駄目になってしまう僕を救ってくださった先生を神様のように感じます。医者になった僕にとって、最高の先生は五年生の時に担任して下さった先生です」
そして一年後。届いたカードは結婚式の招待状だった。
カードには「母の席に座って下さい」と一行、書き添えられていた・・・。
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