今日は息子の入学式で、新しい高校へ行ってきました。
たくさんの若者に混じって、ひとり白髪の男性もいました。定時制の生徒です。おそらく、若い頃に高校へ行きそびれたのでしょう。この高校は進学校で有名なところなので、もしかすると、ここからさらに大学を目指しているのかもしれません。
そんなことを考えながら、前に座っているその方の背中を見て、思わず尊敬の念が沸き上がってきました。頑張ってくださいね!
さて、新入学というと、楽しみなのが友達作り。息子はこれからどんな友達を得るのでしょうか。
高校での友達について、ネット上でよく見かける、心に触れるストーリー(フィクションかもしれません)があります。英語なので、簡単に翻訳してみました。
友達だけじゃなくて、どんな人間関係にも同じことが言えるのではないでしょうか。
高校1年の時、学校から帰宅途中に、同じクラスの生徒が歩いているのを目にした。カイルという名前で、山ほどの教科書を腕に抱えていた。
心の中でこう思った。「金曜日に教科書を全部持って家に帰るなんてありえないだろう。どれだけガリ勉なんだ」 僕はといえば、パーティや友達とのフットボールで週末は忙しいというのに。
それで素通りしようとした時、カイルの方に何人かの生徒が走っていくのが見えた。そして、わざとカイルにぶつかったので、抱えていた本が全部地面に落ち、おまけに、カイルは泥の中に突き飛ばされてしまった。
メガネも外れて、3メートルほど先の草むらに落ちた。ひどい悲しみでいっぱいの目を見て、僕は気の毒に思った。そこで、四つん這いになってメガネを探しているところに駆け寄ってみると、目に涙を浮かべていた。
「ろくでもない奴らだね。他にやること、ないのかな」といいながら、メガネを手渡すと、僕を見上げて「ありがとう」って言った。感謝の気持でいっぱいの笑顔だ。
本を拾うのを手伝いながら、どこに住んでいるのかたずねてみたら、何と僕の家の近くだった。どうしてそれまで会ったことがなかったんだろうと聞いてみると、ずっと私立の学校に行っていたからだと言う。私立に通うようなやつと遊ぼうとは思ったことがなかった。
いくつか本を持ってやって、一緒に話しながら家に帰ったけれど、とてもいいやつだった。だから、土曜日に友達とフットボールをするので一緒にしないかって誘ってみた。結局、週末をずっと一緒に過ごすことになった。カイルのことを知れば知るほど、好きになった。他の友達も同じことを言っていた。
そして月曜の朝、カイルは金曜日に持ち帰った教科書を、また全部抱えて学校に向かっていた。
「おいおい、毎日こんなに教科書を抱えて行き来するなんて、筋肉でもつけようっていうわけ?」と聞いたら、笑いながら本を半分、僕に渡してきた。
それからの4年間、二人は親友になった。4年生ともなれば、大学への進学を考え始める。カイルはジョージタウン大学、僕はデューク大学に決めた。でも、どんなに離れていても、二人は友達だってことに変わりがないとわかっていた。カイルは医者になりたかったし、僕はフットボールで奨学金をもらい、ビジネスの勉強をするつもりだった。
カイルは卒業生代表に選ばれ、卒業式で答辞を述べることになった。僕はいつもカイルのことをクソ真面目なやつだとからかったけれど、答辞の準備をして壇上で話をするのが自分じゃないことでほっとしていた。
卒業式の当日、カイルはとてもかっこよかった。高校の間に、ぐっと伸びるやつがいるけれど、カイルもそのひとりだった。メガネをかけていても、かっこいい。僕よりもずっとモテたし、デートもたくさんしていた。たまに、そんな彼に嫉妬したこともある。
答辞を述べる前、カイルが緊張しているのがわかったので、背中を叩いて「お前なら大丈夫さ」と言ってあげた。そうしたら、感謝でいっぱいのあの笑顔で「ありがとう!」と返してきた。
カイルは咳払いしてから、こう話し始めた。
「卒業式は、これまでの山あり谷ありの学生生活において、私たちを支えて下さった人々に感謝する時です。親の皆さん、先生方、兄弟姉妹、それにコーチ・・・そして何よりも友達に。誰かの友達になるということが、その人にあげられる一番の贈り物だということを皆さんにお話したいと思います」
カイルが僕たちが初めて会った日のことを語り始めた時、僕は信じられない思いで聞いていた。あの週末、自殺しようとしていたこと。後で母親が学校に置いてあるものを取りに来なくてもいいように、ロッカーの中身を全て家に持ち帰ったこと。
カイルは僕をじっと見つめてから少し微笑み、こう言った。
「ありがたいことに、僕は救われました。言いようのないほど大変なことを僕がしないよう、友達が救ってくれたのです」
皆、息を呑んだ。このハンサムで人気のあるやつに、そんな大変な時があったと聞いて。
カイルの両親が僕の方に、カイルと同じ、あの感謝の気持でいっぱいの笑顔を向けていた。
その時まで、僕のしたことにそんな深い意味があったとは気づかなかった。自分の行動の力を軽んじてはいけないんだ。
ちょっとした行為で、誰かの人生を変えることがある。良い方にも悪い方にも。神は、僕達がお互いに何らかの影響を与えられるようにと、誰かの人生に関わらせて下さる。まわりの人の中に、神の働きを見よう。
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